
化合物スクリーニング
支援内容
必要に応じて最適なHTSアッセイ系構築のコンサルティングを行います。これまでのご検討結果を拝見しながら、バラツキの改善や再現性の確認など、HTSに耐えられるアッセイ系構築のためのアドバイスいたします。より多種の化合物を評価できるようアッセイのミニチュア化(384プレートや1536プレートの使用)や試薬コスト節約を意識した条件検討などのアドバイスを行います。弊機構のスクリーニング機器を利用したオンサイトでの相談も可能です。
またスクリーニング実務においてもスクリーニング実験を効率良く遂行されるための技術指導に応じています。スクリーニング途上でのトラブル対応、アッセイ結果解析(ヒット化合物の選び方)についても、ご相談やご支援を行っています。
参考資料:
創薬機構の化合物ライブラリーは、2006年度より構築を開始しました。当時の市販化合物データベースより忌避部分構造を考慮しつつ、タンパク質親和性候補化合物を広く選択した後、化学構造の多様性を確保するために化合物の記述子に基づくクラスタリングを行い、その各クラスタより代表化合物を収集しました。大学研究室由来などのユニークな骨格構造をもつ化合物や市販天然化合物、天然化合物誘導体も精力的に収集しました。
化合物ライブラリ―分類=サブライブラリー
1. Validated Library リポジショニングや構築アッセイ系の確認に用いられるサンプルのセット
既存薬 約1800サンプル、既知薬理活性試薬 約2300サンプル
ご希望の方には、事前にお渡しする一覧表からチェリーピック提供も可能
2. Core Library 弊機構の化合物ライブラリーの構造多様性等を考慮して選抜した代表9600サンプル
類似化合物を準備、サンプル数の削減(一部提供)や分割提供可能、細胞内標的用コア2400サンプルを内包
3. Advanced Core Library
評価後、Full Library(全化合物)の評価は困難だが、
さらに評価数を拡大されたい方のために、医薬用途を考慮して選抜した22400サンプル
4. Fragment Library, Scaffold Library
存在しうる化合物の種類(ケミカルスペース)が比較的少なく、合成展開による官能基修飾の余地がある分子量250以下のフラグメント化合物や、分子量250~300のスキャフォールド化合物などを重点的に集めた、物理化学的アッセイにも用いられる低分子量のサンプル
5. Focused Library
①kinase②GPCR③タンパク質間相互作用④ion channel⑤proteaseに対して高ヒット率が期待される化合物、あるいは、ヌクレオシド類縁化合物を収集・合成したサンプル(Validated Libraryとは異なり、慣用名や既知作用の有無は調べていません。)
6. 企業寄託化合物
小野薬品工業(株)、東和薬品(株)、第一三共(株)、田辺三菱製薬(株)より寄託を受けたサンプル(利用条件はそれぞれ異なる。企業研究および企業との共同研究での利用は不可。)
7. AMED中分子化合物
タンパク質間相互作用の阻害を予測して合成した15000サンプル、サプライヤ市販品を収集した59764サンプル(利用条件は一般化合物と異なる。企業研究および企業との共同研究での利用は不可。一般に分子量が大きな分子ほど生体分子との相互作用が強い可能性があり、低分子では難しいとされるタンパク質間相互作用の阻害が期待できる。ケミカルスペースに占めるスクリーニング化合物の割合、溶解度や膜透過性などの物性面、合成展開性で有利な低分子と比較されてご利用ください。)
創薬機構の化合物ライブラリ―の詳細は下記資料参照
創薬機構化合物ライブラリ―はDMSO溶液サンプルとして、ハイスループットスクリーニングに適用可能なアッセイレディープレート(超微量分注)で提供することが可能です。詳細は資料-10の3.「プレート分注の形態」を参考にされるか、コンサルティング会議や担当者へ問い合わせ願います。
申請書(様式11および12)は、可能な範囲で記入されたExcelファイル(必要に応じパスワード設定して下さい)を弊機構まで機関決裁前にメール送付して下さい。内容確認後、担当者より郵送手順についてご案内いたします。今後の化合物サンプル提供契約は、研究課題毎に1回の包括契約とさせていただきたく、新しい様式12(Ver 10)をご使用下さい。最終の追加申請の場合など、旧様式12(Ver 9)でも承っています。
- 化合物データベース提供依頼申請書(SD File、SMILES形式で提供 ver 8.00以降をご使用下さい)[様式11]ver 8.02
- 化合物提供包括契約書 雛形(同一条件でのご提供のため、条文修正はご容赦下さい)ver 6.00
化合物提供包括契約書_項目表.xlsx - 包括契約用の化合物サンプル提供依頼申請書(新規の方はこちらをご使用下さい)[新様式12]ver 10.31
- 報告書フォーマット(こちらはサンプルです。実際には各化合物依頼毎に創薬機構から各プレート情報を記載した報告書を提供します。)
- 化合物純度検定依頼申請書 様式14
- 化合物利用成果公表申請書 様式16
- 化合物利用成果の一般公開用報告書 様式17
一次スクリーニングの後の再現性評価や異なるアッセイ系による高次評価等の後に得られるヒットサンプルについて、論文等での成果公表や創薬を目指す構造展開の前に、用いたサンプルの化学構造式や純度の確認などを行い、活性の本体となる物質の同定が必要となります。
高純度であることをことを確認し入手した化合物ライブラリ―ではありますが、弊機構が全提供サンプルの化学構造や純度を保証することは事実上困難です。そのため、利用者の皆様には溶液サンプル調製時に全サンプル統一条件でLC/MS測定データを取得し、ソフトウェア一斉解析により算出した純度推定値を化合物データベースに収載したり、化学構造情報の開示の際に構造式に併記したりしてお知らせしています。低純度の検定結果であったサンプルもありますし、実際には高純度サンプルであっても、溶解度の低さや質量分析装置内でのイオン化の具合等に起因して低純度の結果となっている場合もあります。
弊機構は、特に重要なサンプルについて、LC/MSチャートを個別確認したり、以下の様式14による現時点でのサンプルの純度検定依頼を受け付けています。高純度確認サンプルについても、長期安定性に懸念のある構造のサンプルもあり、同じく重要なサンプルについて、様式14による純度検定依頼を受け付けています。
なお、低純度とお知らせしたサンプルについては、弊機構は構造確認できていませんので、現状のままでは構造式の公表承認をいたしかねます。公表を希望される場合には、NMR測定(原末提供応相談)や別途入手、合成にて構造確認等が必要です。弊機構では、これらサンプルをCore LibraryやAdvanced Core Libraryなどからは除外し、Full Libraryでも提供順位が一番低いGeneral Cに集めて区別しています。
弊機構の化合物情報は秘密情報としてお伝えしています。そのため、化合物提供で得られた成果を学会発表や論文投稿、特許出願される場合には必ず事前に(査読者を含む第三者に化合物情報を開示する10日前までに)弊機構へ下記書式にてお知らせ下さい。公表見合わせ等のご検討をお願いする場合もありますので、早めに申請してください。
化合物情報を含まない発表については申請不要です。受理された掲載誌が変更になった場合、その旨ご連絡いただくのみで、再申請は不要です。弊機構からの提供サンプルがきっかけとなり、製品化や事業化に成功された場合は、是非ご一報ください。
また、公表時に化合物サンプル提供の補助事業である「AMED生命科学・創薬研究支援基盤事業(BINDS)」への謝辞にもご協力下さい。
英文の場合:This research was partially supported by Basis for Supporting Innovative Drug Discovery and Life Science Research from AMED under Grant Number JP24ama121053 (support number xxxx).
“xxxx”には、BINDSの課題番号4桁を記入して下さい。